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謡曲の拍子は大部分が8拍子ですが、謡の文章は七五調(上の句7字、下の句5字)が基本です。十二文字を八拍にあてて謡おうとすると、基本は一拍に二音を置き、適当に間を開けて8拍に合わせることになります。リズムの乗せ方は、その間隔によって色々な種類があります。「タンタンタンタン」と忙しく打つもの(中ノリ)、また「タン タン タン」と中庸に打つもの(平ノリ)、として「ターン ターン ターン」とゆっくり打つもの(大ノリ)があり、これらの調子(乗せ方)を謡では「ノリ」と言います。

12音を8拍子(16音)で謡う

葵上の一節、「人の恨みの深くして」。これも上の句7字、下の句5字の七五調です。1拍は2音ですから、これを「ひぃとのうぅらみのぉふかくして。」と3カ所ほど引いて謡うと15字分となり、次の句との間に一文字分の間を開けてちょうど八拍に合わせることができます。

1つの言葉の母音を引いて謡う

「モチ」という謡い方は上記のように、1つの言葉の母音を引いて謡うことです。歌詞の音節を長く延ばしてうたう場合に、長く延ばされる母音部分。例えば「ひ」を延ばして「ひい」とうたうときの「い」を指して生字(うみじ)と言います。母音を引く場所は謡の流派によって違いがあります。

1字に1拍子(2音)が基本

大ノリは、、曲の最後や、神や鬼などが登場する場面で多く用いられます。1字に1拍子ずつ当るので、最もわかりやすく、理想的なノリ方と言えます。1拍子は2音ですから、1字を2音に謡っていくことになります。大ノリは本地(8拍子)、トリ(4拍子)の2種類が普通です、

1拍子が2字

中ノリは1拍子が2字づつになる急調です。別名、修羅ノリと言われるように、修羅の戦を表現するような場面で用いられる乗り方です。中ノリは七五調ではなく、上の句8字、下の句8字の16文字が基本となります。実際には7字のものもあり、色々と変化します。

平ノリは地拍子の基礎

「平ノリ」は最も多く用いられる基本的なリズムで、七五調の文章に一定の法則に従って伸縮を入れて謡います。基本的には第一拍、第三拍、第五拍の奇数拍のところに1音ずつモチを入れ、句読の一音を七五調の12音に加え、16音に合わせます。第五拍が上の句と下の句の境になります。

形は同じ「。」ですが、謡の句読は意義が異なります

普通の作文において句点は文と文との区切りを示します。意味の区切りであり、結果として息継ぎの役割もあります。一方、謡の句点は「拍子上の句切り」であり、「息継ぎか所」になることもあります。句点は謡のリズム上の区切りと認識すると良いでしょう。